野球やサッカーなどのスポーツに比べると
まだまだマイナースポーツという印象のバスケットボール。
しかし、2016年にプロバスケットボールリーグ「Bリーグ」が発足し、更に日本人のNBAプレーヤーが活躍することで、今や日本国内でもメジャースポーツになりつつあります。
実は、国内での競技者登録人口はサッカーの96万人に次いで2位の63万人。
資料によって違いはあるようですが、世界で見ると2位はサッカーで2.6億人。
1位はなんとバスケで4.5億人。
バスケってこんなに人気のあるスポーツなんです。
※参考:2020年に向けた社会全体のICT化推進に関する懇親会
スポーツ×ICTワーキンググループ資料(2015年)
では、バスケットボールというスポーツはどのようにして生まれたのでしょうか?
今回の記事では「バスケットボールの発祥」と「発祥当時のルール」について解説しています。
では、いきましょう。
バスケットボールの発祥
1891年にネイスミス氏が考案
「バスケットボール」というスポーツは
ジェームズ・ネイスミス
(James Naismith)
というカナダ人によって考案されました。
彼は、アメリカ・マサチューセッツ州スプリングフィールドにある国際YMCAトレーニングスクールの体育部教官でした。
この時はなんとまだ30歳。

当時の人気スポーツといえば、フットボールや陸上競技などの屋外スポーツが主。
冬の間はグラウンドに雪が積もってしまい、それらのスポーツはできなくなってしまいます。
屋内では体操が中心に行われていましたが、スクールの受講者には不人気だったそうです。
これは私たちが経験した現代の体育でも同じような状況かも。サッカーやバスケの授業は人気だったけど、器械体操とか縄跳び、マラソンなどは不人気でした。
そこで「屋内で取り組めるスポーツは何かないか」という課題が与えられ、考え出されたのがバスケットボールだったのです。
桃籠とサッカーボール
当初は、収穫した桃を入れる籠(ピーチバスケット)を用いゴールにしました。
この「籠」が「バスケット」の由来ですね。
日本では「籠球」と名付けられました。
この「バスケット」(籠)を、体育館の両側の高い所(2階バルコニー等)にぶら下げて、そこに投げ入れるという形で行われました。
シュートが入った時は、はしごを上ったり2階バルコニーに上がったりして、ボールを取り出していたそうです。
ちなみにこの当時から
- 高さ「3.05m」
- 内径「45cm」
と、ゴールの規定は現在と同じです。
バスケゴール(リング)についての詳細は以下の記事をご覧ください。
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ボールは、サッカーボールを使用したそうです。
【13のルール】2回ファールしたら退場?ドリブル無し?
ネイスミス氏は
力だけに依存するゲームではなく、生徒のためのスキルゲームを作成したい
という意向があり、できるだけ身体接触を避けるゲームにしたかったようです。
フットボールでラフプレーが絶えなかったことの原因を突き詰めていきました。
このようにして、最初の13のルール完成したそうです。
(※引用:バスケットボールの歴史)
1.ボールは片手または両手で任意の方向に投げることができます。
2.ボールは片手または両手で任意の方向に打つことができますが、拳で打つことはできません。
3.プレーヤーはボールを持って走ることはできません。プレーヤーはそれを捕まえた場所から投げなければならず、良いスピードで走っている人のために余裕があります。
4.ボールは手の中または手の間で保持する必要があります。腕や体はそれを保持するために使用してはなりません。
5.相手を肩に乗せたり、握ったり、押したり、叩いたり、つまずいたりしないでください。いかなる人物によるこの規則の最初の違反もファウルとしてカウントされるものとします。2番目のゴールは、次のゴールが達成されるまで、または人を傷つける意図が明らかな場合はゲーム全体を通して、彼を失格にするものとします。代用はできません。
6.ファウルが拳でボールを打った、規則3および4の違反、および規則5に記載されているようなもの。
7.いずれかの側が3回連続してファウルを行った場合、それは対戦相手のゴールとしてカウントされます(その間に対戦相手がファウルを行わない連続した手段)。
8.ゴールは、ボールが地面からバスケットに投げ込まれたり打たれたりしてそこにとどまるときに行われ、ゴールを守っている人がゴールに触れたり邪魔したりしないことを条件とします。ボールが端に止まり、対戦相手がバスケットを動かした場合、それはゴールとしてカウントされます。
9.ボールがアウトオブバウンズになったとき、ボールはフィールドに投げ込まれ、最初に触れた人がプレーしなければならない。論争の場合、審判はそれをフィールドにまっすぐ投げなければならない。スローインは5秒間許可されます。彼がそれをより長く保持するならば、それは対戦相手に行きます。いずれかのサイドがゲームの遅延に固執する場合、審判はそれらにファウルをコールするものとします。
10.審判は男性のジャッジであり、ファウルに注意し、3回連続してファウルが行われた場合はレフリーに通知しなければならない。彼は規則5に従って男性を失格にする権限を有するものとする。
11.レフリーはボールのジャッジであり、ボールがいつインバウンドでプレーされているか、どちらの側に属しているかを決定し、時間を守らなければならない。彼は、ゴールがいつ行われたかを決定し、通常レフリーによって実行される他の義務でゴールを説明しなければならない。
12.時間は、2つの15分の半分で、その間に5分の休憩があります。
13.その時点で最も多くのゴールを決めた側が、勝者として宣言されるものとします。
現代バスケットボールのルールの礎となる内容ですが、2回ファールを犯すと退場となるなど、接触プレーに関してはかなり厳しい内容です。
また、この頃はドリブルも無かったようですね。
試合は5対5?50対50?!
上記の13のルールには人数に関する明確な記載はありません。
最初から5人対5人だったのでしょうか?
実はそんなことはなく、ここにも紆余曲折があったようです。
世界で初めて行われたバスケットボール
初めてバスケットボールがプレーされたのは、1891年12月21日(月)午前11時30分。
YMCAトレーニングスクールの体育館には18人の受講生がいました。
なんと、単純にこの18人を2で割って「9対9」で行われたことが、この当時の基本となりました。
最初にゲームが行われたコートは「11m×15m」ほどの広さだった(現在は縦28m×横15m)ため、相当な人口密度だったことが想像できます。
その後も明確なルールはなかったので、「50対50」の100人ゲームというのもあったそうです(笑)
その後、コートの広さにより人数が規定されるなどしながらも、現在の「5対5」に落ち着きました。
バスケの起源、「duck on a rock」の動画
ネイスミス博士がインスピレーションを受けた「duck on a rock」というゲームです。
動画もありました。
中世における子供達の遊びだったんですね。
それがここまで世界的な人気スポーツに発展するのですから、人間の想像力やアイデアというものは凄いものです。
参考1:バスケットボール誕生までの経緯と最初のルールについて
バスケットボールの歴史についての論文がありました。
バスケ誕生までの経緯が詳細に記載されています。
バスケットボール誕生までの経緯と最初のルールについて
著:大川 信行
人間発達科学部紀要 第4巻第 2号:97-107(2010)
参考2:バスケットボールの歴史(水谷豊)
- バスケットボールが誕生した背景
- それに関わった日本人
- ネイスミスの生涯
- 国内や海外への普及
- ルールの移り変わり
など、タイトルの通りバスケットボールに関する物語です。
バスケットボールの歴史を知りたい方は必読です。
参考3:籠球五輪 バスケットボール・オリンピック物語(清水義明)
まとめ
今回の記事では、「バスケットボールの発祥」と「ルールの歴史」について解説しました。
130年も前に考案されたスポーツが世界中に広まって多くの人に楽しまれている。
歴史を知ると感慨深いですね。
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「バスケのおかげで人生が楽しくなった」という人も少なくないはずです。
バスケットボールというスポーツを考え出したジェームズ・ネイスミス氏に感謝しながら、今後もバスケを楽しんでいきましょう。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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