バスケットボールの反則には2つの種類があります。
- バイオレーション
- ファウル
「ファウル」は、他のスポーツでも聞き慣れた言葉ですが、「バイオレーション」はあまり聞き慣れない言葉だと思います。
この二つにはどんな違いがあるのでしょうか?
また、バイオレーションは大人(一般ルール)と子ども(ミニバス)で違いはあるのでしょうか?
今回の記事では、「バイオレーション」について説明していきたいと思います。
バスケの反則は「バイオレーション」と「ファウル」の2種類
バスケの「ルール違反」「反則」には2種類あります。
一つが「バイオレーション」
もう一つが「ファウル」になります。
バイオレーション
今回の主役です。
なかなか聞き慣れない言葉ですね。
少し調べてみましたが、「バイオレーション」という言葉を使っているスポーツはテニスぐらいでした。
バスケでのバイオレーションとは何かというと、ファウル以外の全ての反則のことです。
バイオレーションは、ルールの違反である。(http://www.japanbasketball.jp/wp-content/uploads/MiniBasketball_rule_20210401.pdf)
バイオレーションの意味
英語辞典では、どんな意味で掲載されているのでしょうか?
weblio辞典によると「違反」「妨害」といった意味があるようです。
交通違反なら「a traffic violation」というみたいですよ。
バイオレーションの罰則・ペナルティ
反則の回数は記録せず、何回繰り返しても退場にはなりません。
ペナルティとして相手チームにボールが渡ります。(※ゴールテンディング、インターフェアレンスは除く。詳細は各項目で解説)
具体的には、「バイオレーションの起こった場所から、最も近いサイドラインかエンドラインの外側から相手チームのスローインでゲームが再開」することになります。
ファウル
さて、「バイオレーションとは、ファウル以外のルール違反」と書きましたが、「ファウル」とはいったい何を指すのでしょうか。
「ファウル」という言葉は、サッカーや野球など他のスポーツでもよく使われているので、「バイオレーション」に比べると何となくイメージしやすいかもしれませんね。
バスケのファウルは、
- 相手チームとの不当な体の触れ合い
- スポーツマンらしくない行為
のことを言います。
ファウルの罰則・ペナルティ
基本的には、ボールの所有権が相手チームに渡ります。
ファウルにも色んな種類がありますが、通常のファウルであれば5回宣告されると退場となります。
「反則の回数が記録され、一定回数を超えると退場となる。」
これが「ファウル」と呼ばれる反則です。
ファウルを宣告する時の審判の手は「グー」です。
バイオレーションの種類は?
ひとまとめに「バイオレーション」と言っても、様々な種類があります。
大きく分けると
- ボールに関するバイオレーション
- 時間に関するバイオレーション
の2つがあります。
ボールに関するバイオレーション
アウトオブバウンズ、キックボール、イリーガルドリブル、トラベリング、ゴールテンディング、インターフェアレンスはボールの扱いに関するバイオレーションです。
時間に関するバイオレーション
3秒ルール、5秒ルール、24秒ルール、14秒ルールは時間に関するバイオレーションです。
以下にバイオレーションのそれぞれについて、具体的に解説していきたいと思います。
アウトオブバウンズ
ボールやボールを保持したプレーヤーが「コートの外に出てしまう」ことを「アウトオブバウンズ」と言います。
- ボールを保持したプレーヤーが「ラインを踏む」「ラインを越えてコート外に出る」
- ボールが「ラインに触れる 」「コート外に出る」
- ボールがバックボードの裏や支柱に当たる
などが代表的ですね。
他にも
ボールやボールを保持したプレーヤーが、コート外にいる人や物に触れた場合も「アウトオブバウンズ」となります。
キックボール
故意にボールを足で蹴ったり止めたりすると「キックボール」になります。
イリーガルドリブル(ダブルドリブル)
「イリーガルドリブル」には2種類あります。
ダブルドリブル
略して「ダブドリ」と呼ばれることが多いですね。
ドリブルを止めてボールを保持したのに、再びドリブルを始めると「ダブルドリブル」となります。
キャリイング・ザ・ボール
名前は聞き慣れませんが、比較的よく見るバイオレーションです。
ドリブル中にボールを下から支えてしまうと「保持した」とみなされます。
トラベリング
バスケではボールを持った状態でドリブルせずに3歩以上歩いてはいけません。
バスケのルールでは最も有名かもしれませんね。
ボールを保持したまま3歩以上歩くと「トラベリング」になります。
もう少し細かくみてみると
- 軸足(ピボットフット)を踏みかえる
- 軸足(ピボットフット)がずれる
- ドリブルを突き出す前に軸足(ピボットフット)が離れてしまう
といったことも「トラベリング」になります。
軸足(ピボットフット)とは?
空中でボールをキャッチした場合、先に着地した足が軸足(ピボットフット)になります。
両足同時に着地した場合は、着地後に動かした足と反対側の足が軸足となります。
ピボットやパス、シュートなど次のプレーに移る際に軸足(ピボットフット)を踏みかえたりずれたりしてしまうと「トラベリング」です。
転んだらトラベリング?
ルーズボールを確保するために、コートに滑りこんだり座り込んだりしてしまう状況ってありますよね。
これだけでは「トラベリング」にはなりません。
ディフェンスを避けるために床をゴロゴロと転がったり、ボールを持ったまま立ち上がってしまうと「トラベリング」になります。
「右足→右足」「両足→両足」はトラベリング?
同じ足で続けて着地することは「トラベリング」です。
「両足→両足」はもちろんですが、「右足→右足」「左足→左足」でもトラベリングになります。
ゴールテンディング
シュートしたボールは弧を描きます。
そのボールが弧の最高到達点を過ぎた後、リングに向かって落下している時にボールに触れると「ゴールテンディング」というバイオレーションになります。
ディフェンスチームのプレーヤーが触れた場合は、シュートが入らなくても得点がカウントされます。
プロレベルでない限り、ほとんど起こることはないでしょう。
インターフェアレンス
シュートしたボールがリングに触れている時に、プレーヤーがボールやリング、バックボードに触れると「インターフェアレンス」というバイオレーションになります。
オフェンスチームがバイオレーションをした場合、シュートが入ったとしても得点は認められず相手チームのスローインになります。
ディフェンスチームがバイオレーションをした場合、シュートが入らなくても得点になります。
(※フリースローなら1点、その他のシュートなら2点)
3秒ルール
「オフェンス時に相手チームの制限区域(ペイントエリア)内に3秒以上とどまる」と3秒バイオレーションになります。
ただし、以下の場合は適用外となります。
- ペイントエリアから出ようとしている
- シュート中でボールが手から離れようとしている
- シュートに向かうドリブル中
- ボールがまだフロントコートに入っていない
5秒ルール
- ボールを保持しているプレーヤーが積極的なディフェンス(1mより近い位置で)を受けている場合、5秒以内にパスかドリブルかシュートをする
5秒以上ボールを手放せないとバイオレーションとなります。
他にも以下のようなシチュエーションがあります。
- スローイン時、審判にボールを手渡されてから5秒以内にパスをする
- フリースロー時、審判にボールを手渡されてから5秒以内にシュートを撃つ
両方とも5秒を超えるとバイオレーションとなります。
※NBAではフリースローは5秒ではなく10秒以内となります。詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
24秒ルール
オフェンスチームは、ボールをコントロールし始めてから24秒以内にシュートを撃てなければバイオレーションになります。
シュートしたボールが空中にある時にブザーが鳴った場合は、
- シュートが成功すれば得点がカウントされます。
- ボールがリングに触れたら、そのままプレーを続行します。
24秒バイオレーションになるのは、ボールがリングに触れなかった時です。
ただし、そのボールを相手チームが速やかにコントロールした場合は、そのままゲームを続行します。
14秒ルール
ミニバスではフロントコートの概念が適応されないため、ほとんどのシチュエーションで24秒リセットになります。
14秒スタートになるシチュエーションは以下の通りです。
シュート後、オフェンスリバウンドを取った場合
シュートを撃ったオフェンスチームがリバウンドを取ったら、24秒にリセットするのではなく14秒からのスタートになります。
ちなみにディフェンスがリバウンドを取ったら、オフェンスが入れ替わることになるので24秒からスタートになります。
栃木県ミニバスケットボール連盟さんがわかりやすくまとめてくれています。↓
ミニバスでは適用されないバイオレーション
以下のバイオレーションはミニバスでは適用されません。
- 8秒ルール:8秒以内にフロントコートまでボールを運ばないといけない
- バックコートバイオレーション(バックパス):フロントコートに入った後に、バックコートにボールを戻してしまう
大人のルールとミニバスのルールの違いについては以下の記事をご覧ください!
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まとめ
今回の記事では、ミニバスでのバイオレーションについて解説しました。
バイオレーションとは、ファウル以外のルール違反のことです。
大人のルールとミニバスのルールで大きく異なる点は、
- 8秒ルール
- バックコートバイオレーション
の2つでした。
この記事が少しでもミニバスのルールを理解することに繋がれば幸いです。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
参考
2021 バスケットボール競技規則
ミニバスケットボールにおける適用規則の相違点
(公財)日本バスケットボール協会
2021年4月1日施行
http://www.japanbasketball.jp/files/referee/rule/2021mini_rule_changepoint.pdf
大阪で開催されているミニバスのスクール
日本ではまだまだプレーできる環境って少ないですよね。
最近は、小学校や地域のミニバスチームだけではなく、ミニバスの「スクール」という選択肢が増えています。
「地域のミニバスチームに所属しながら、スクールにも通って練習したい」
「スクールの方が指導体制がしっかりしている」
「親の負担が少ないスクールに通わせたい」
など、スクールに通う方には様々な理由があると思います。
大阪にあるミニバスのスクールをまとめているので、お探しの方は以下の記事をご覧ください。
一昔前は「小学校の部活」や「地域のミニバスチーム」に所属するというのが一般的でした。 しかし、最近は「スクール」という新たな選択肢が増えています。 日本では「バスケをしたい!」と思っても、プレーできる環境が少ないのが現状なので、[…]